構想

Pile up Ring Vision ~原点からの積み重ね その先の未来へ~

栗東青年会議所にとってのビジョンとは

 栗東青年会議所ではこれまで44年間に亘り、「明るい豊かなまちの創造」を実現するため、それぞれの時代に即した形でビジョンや構想が策定され、これに基づき運動が展開されてきました。「会員の資質向上」と「地域への貢献」を使命とし、単年度制という組織運営の中で内外に向けた運動や活動の在り方にわかりやすさを示すために、ビジョンや構想は重要な役割を担ってきました。

 2002年に発表された「ペガサス2010構想~オンリーワンのまちづくり」において「生涯暮らしたいまち(栗東)の創造」が栗東青年会議所の永遠の目的であると提唱されましたが、地域の変化に対応しつつ、ニーズにしっかりと目を向け、市民に共感される運動を推し進めていくためには新たな運動の方向性を示すことが必要です。また、今後の運動を更に効果的なものとしていくために、その根本である我々自身の活動についても、軸を定め発信することから始める必要があります。

 地域と関わり積み上げてこられた44年という運動の歴史を確固たる土台とし、今現在の地域に対して取り組むべきものとは何かをしっかりと意識しながら、「生涯暮らしたいまち(栗東) の創造」の実現に向け、取り組みを重ねていきましょう。


2020年に考える生涯暮らしたいまち(栗東)の姿

 現在、私たちが暮らすまちの未来は市民にとって安心を約束されたものとは言えません。2015年に「Arch Joint Vision 2015」が発表されてから5年の歳月が経ちましたが、この期間の日本の経済成長率は低迷を続け、さらに日本と地方の財政状況は悪化の一途をたどっています。人々が不安に感じる事柄には、我々の身近な暮らしにも深く影響を与えて、このまちで暮らす人々の未来に対する不安を高める要素もあります。こうした不安感は、社会に広がる様々な課題解決の機会を失わせ、負の連鎖が引き起こされることにも繋がりかねません。

 しかし、どのような状況であっても常に能動的意思を持って、課題に向き合うことは必要です。尚且つその主体者が市民個々、更には様々な団体や市民同士の繋がりとして生み出されれば、社会に広がる様々な課題の克服へと繋がり、好循環を創り出すことができるのです。

 継続的で効果的なまちづくりのためには、その中心となる強い柱を生み出す必要があります。その要素とは「より良い方向へ導けるリーダーの育成」「繋がりを活かした環境づくり」「主体的にまちづくりに関わる市民の創出」の3つであると考えます。

 まちにおける様々な課題の解決に向けて、より良い方向へと導くことのできるリーダーを増やしていくことと、栗東青年会議所や各団体がお互いの強みや経験を活かしながら連携を強めていくことで新たな発想や視点を生みだしていくことが出来ます。更に多くの市民を巻き込みながら、地域に対しての主体者となっていただくことで、人々が安心して暮らせるまち(栗東)へと発展します。様々な地域の課題解決に取り組める社会環境を構築することは、多くの市民の安心感を絶やさない重要な要素となるのです。

【Pile up Ring Visionのイメージ】

1.より良い方向へ導けるリーダーの育成

 栗東青年会議所が持つ様々な職種の人々が集まり時間を共有している大きな特徴を活かし、積極的に活動へ参加する中で新たに得られた知識や情報を自分の糧にしていくことが大事です。そして、その学びを各自がどのように地域貢献活動を通して、今後どのようにして世の中に還元していくかという意識を持ち、活用していくことが地域の新たなリーダーを増やしていくことにもなるのです。

 自らの学びをしっかりと周囲に発信するとともに自分自身だけでなく周囲の人々をポジティブに変化させていかなければいけません。ポジティブな変化をした人々が更に成長しながら伝播を繰り返していくことで、このまちをより良くすることにも繋がっていくのです。

2.繋がりを活かした環境づくり

 市民が解決を必要としているこのまちの課題について考えながら事業を構築する中で、44年間に亘って積み重ねてきた地域に対する運動を、土台として意識することを欠かしてはなりません。単年度毎の運営組織であるが故に、ある年度の事業で一定の成果を上げたにも拘らず、これまでに各年度で培われた経験・知識・実績・関係諸団体との繋がりをしっかりと検証しないままにその分野から手を放し、新たな分野に手を伸ばしていることもあります。運営自体は単年度制ではありますが、運動を発展させるためには決して無視してはならない有益な繋がりが多く存在しているのです。

 これまで培われてきた歴史を検証し、一方向だけでなく多面的で濃密な地域ネットワークを構築することが出来れば、より効果的な事業を実施することが出来、我々の運動の効率化とこれまでの繋がりの輪が更に強固になります。

3.主体的にまちづくりに関わる市民の創出

 主体的にまちづくりに関わる市民を増やそうと運動・活動に取り組むことは、青年会議所にとって大きな役割です。なぜなら、このまち(栗東)の人口は増加していますが、市外からの流入人口が多い傾向があります。この一見喜ばしく感じられる事実に対しては、課題が同時に存在しており、地域のことを身近に感じにくい方々がおられるということであり、「まちを想い行動する市民」となっていただくことは困難です。まずは市民がまちのことを知るきっかけが必要です。それは同時に市民に活力を与えて、このまちの未来について考えるきっかけを与える時間でもなければいけません。

 単なるイベントとしてだけの開催ではなく、まちの未来像を予感し共有することが出来れば、自ら地域に関わる人々を少しずつでも増やしていくことに繋がり、更にこのまちを安心して暮らせる住みよいまちにすることが出来るのです。

終わりに

 『生涯暮らしたいまち(栗東)の創造』に向けて栗東青年会議所は今後も歩みを続けます。活動を通じてメンバーが「より良い方向へと導けるリーダー」としての成長を重ね、これまでの繋がりを大事にしながら更に新たな繋がりを積み重ねていくことで、「繋がりを活かせる環境」を作ることが大事です。そうすることが、このまちをより良くしようとする「主体的にまちづくりに関わる市民の創出」の具現化の可能性は拡がります。目先の課題にばかり捉われず、広い視野や柔軟性にも意識を向け「より良い方向へ導けるリーダーの育成」「繋がりを活かした環境づくり」「主体的にまちづくりに関わる市民の創出」という3つの方向性を同時に活かして「まちづくり」という取り組みへの意識付けが重要なのです。

  こうした地域における好循環を生み出すことによって、まちの未来を支える太く強い柱の創造が出来ます。そして、これまで栗東青年会議所が行なってきた運動を持続し続けることで、未来に安心して暮らすことが出来るまちづくりを成し遂げていけるのです。そこから、更に「生涯暮らしたいまち(栗東)の創造」へと繋げていくのです。

未来のために 過去からの積み重ねを活かしながら 今、実行しよう

決して変わることのない44年の運動を礎に

更に太く 更に強く

~Accumulation from the origin~